君がオレのdestiny ・ 第一話



 翌日、オレは同じ七星士である心宿に呼び出された。
 心宿が呼んだ場所は青龍廟だった。
 廟の真ん中にはでかい燭台みたいのがあって、彼は燃える炎に対して跪いていた。

「なんの用だよ、心宿さん」
「・・・来たか」
 心宿は振り返らずにそう言った。

「今、ある方を呼び出すところなのだ」
「・・・ある方?」
「唯様を連れてきてくれ。まだ部屋にいらっしゃるはずだ。・・・急いでな」

 オレは、自分で呼びに行けばいじゃんと思いながらも、口には出さず無言のまま部屋から出た。
 心宿はいつもそうだ。口数が少ない分、秘密主義的なところがある。
 今だって「ある方を呼び出すから唯様を連れてこい」だなんて説明不足すぎる。
 まぁオレが理由追及で反発してみたって、どうせ有無を言わさず説き伏せられることになる。

「ちぇっ・・・」

 振り返ってみたが心宿は動く気配もなく、ただ炎に向かって祈っている。
 一体その炎がなんだってんだ。「ある方」って誰なんだよ。

 オレはため息をつくと、唯様の部屋に向かった。




・・・