君がオレのdestiny ・ 完結?



「よし!」
 と、気合いを入れたその直後、女官たちが前からやってくるのが見えた。
 そして女官たちの中心にいるのは・・・・・・その唯様だ!

「角宿? 何してんの、そんなとこで!」

 思いに反して唯様の方から声をかけられたものだから、一瞬どうしていいかわからなかっ た。
 オレは直立不動のまま口ごもった。

「あっあの・・・その」
 落ち着け、角宿。
 なに緊張してるんだ。このままじゃ唯様に不審に思われちまう。
「昨日はその・・・すみませんでした・・・失礼な口たたいて、その・・・」
 言いたかったことの半分も言えなかったような・・・。
 それ以前に唯様にちゃんと伝わったかな?

「いいよ、気にしてない。よかった、少しは元気になったんだね」
 そう言って唯様はにっこり微笑んだ。

「は・はい。それで・・・あの心宿が一緒に青龍廟にくるようにって」
 よかった、許してくれた・・・。

 安心した途端、一気に全身の血が頭にのぼる。
 全然怒っていないどころか、許してまでくれた!
 唯様の顔を直視できない。

「心宿が? なんだろう。 角宿、連れてって。」

 オレはたぶんゆでダコ以上に顔が真っ赤になっていたと思う。
 ・・・緊張して、唯様の目を見て話せなかった。
 こんな感情は初めてだ。

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 これが恋というものなのか、オレにはまだよくわからない。
 でも、少なくとも、唯様がオレの中で単なる「青龍の巫女」以上の存在になったのは確かだ。
 この人にならオレの人生預けてみてもいいと、ちょっと思ったくらいに。

 兄キがずっと会いたくて探していた青龍の巫女。
 今ここにいる。 巫女はこんなに近くにいるよ、兄キ。
 オレが兄キの分まで青龍の巫女を守るから。
 これが兄キの願った世の中の平和に通じるなら。
 そのためならオレはどんなことだってやるよ。
 同じ過ちは2度と起こさせないから。

 それがオレにとって、兄キにできる唯一のこと。


 でもその前に、ひとつやることがあるんだ。
 これからやることを兄キが知ったら、兄キは悲しむかもしれない。
 でもオレにとっては・・・兄キを失うこと以上に悲しいことなんかない。
 同じ気持ちをアイツらにも味あわせてやるんだ。

 兄キの意志を継ぐこと。 そして・・・。
 この2つが終わって初めて、兄キへの弔いが終わる。
 ひとり敵陣に向かわされて。そしてアイツらに殺されて。
 辛かっただろうね。 ・・・でもオレが敵をとってやるから。
 だから兄キは安心して。


 ・・・兄キ、オレのこの気持ち、間違ってはいないよな?

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そしてコミック7巻の71Pあたりに続いていきます・・・。
最後のほう、なんか角宿がヤバイ方向に突っ走っちゃってます。

このあとのエピソードも書こううと思っていたのですが、
このままいくとコミックの流れにそっていくだけになってしまいそうなので、
ひとまずここで強制終了させていただきます・・・。
また機会があったら続く、かも。


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