NO.003 優宇さまより 亢宿について
■当初は朱雀サイドへのスパイとしての登場でしたが、青龍と朱雀の板挟みで苦しむ優等生として人気があるようです。
■私は個人的に、彼の朱雀七星の張宿(=いい人)から、青龍七星の亢宿(=本性)への変貌がかなりスキです。ていうか亢宿は絶対いい性格していると思う。
朱雀召喚の儀式にて突如性格が一変し、顔つきから口調まで変わってしまう。
一人称が「僕」から「オレ」へ変わるのは必見としか言えません。


■武兄弟のお兄ちゃんの方です。
この兄ちゃんはもう齢15にして苦労人!聞くも涙、語るも涙です。(↓以下『流星伝』ネタバレ注意)
内戦に巻き込まれてわずか9歳で両親と死別し、遠縁の家に身を寄せたはいいがソコではイジワルな養父母姉たちにいびられ・・・。そんな生活に耐えられなかった亢宿少年は、「こんなトコで一生を終えるんじゃなくて僕は青龍七星士として使命を全うするんだ!」と巫女探しの旅へ出ることを決意します。
しかも身体も心も弱い弟を置きざりにして。
さらにそのことを弟に一言も言わずに。

このあたりは人として常識を疑っちゃうけれど、それにしたって亢宿のこの行動は理解できません。翌日いきなり兄キがいないという弟の心痛を想像できないのか!
結構亢宿も、一見常識人なふりをして、思い込んだら一直線というか、、、
深く考えずに行動に出ちゃうあたり、この兄弟はやはり双子だと思います。
短絡的思考は2人とも同じなのだ。
亢宿はもっと考えてから慎重に行動する子ではなかったのだろーーか。
そして、そんな安易な行動の代償が弟との別れ。
そりゃ仕方ないだろ。角宿じゃなくたってグレます。

この3年という時間は、無邪気で可愛かった弟を別人のごとく変貌させた無情の時間でした。
角宿があんな性格になったのって実は亢宿のせいじゃん!!!!(爆)

ほんで。
そんなこんなで3年も離ればなれになった弟と再会できたと思ったら、すぐまた遠い地(紅南国)に・・・。
そして一度は死んでしまう。
それでまた無事に再会できたと思ったら、今度は当の弟によって記憶を消されてしまう!
で、今度こそ平和に暮らしていたのに、死んだ弟から交信されて今度は本当に死んでしまう。
・・・・まだ15歳なのになんという人生!!改めて書いてみると凄い運命・・・だよね。
『ふしぎ遊戯』最大の犠牲者なんじゃないだろうか。。。。

■ここからは本当に個人的な意見なんですが、亢宿は再登場しなければよかったのにと思います。朱雀召喚の儀式時に、“青龍七星士として死んだ” ならばよかったのに・・・と思うのです。
(単に大人の事情で「亢宿人気だから復活させましょう」とかいう裏事情があったかもしれないけどさ!)
もしくは再登場した際に青龍七星としての記憶が残っていなければよかった
何でそんなコト思ったかっていいますと、青龍七星なのに朱雀に寝返ったのが何かイヤなんです。それに亢宿が生きていたんだったら、あの角宿の復讐がとても非情なものに思えて仕方がないのです。亢宿が死んでいたなら、復讐として(許される行動ではないけど)とりあえず納得は出来る結果になったのに。

・・・でも、結局のところ理想の女性よりも現実の女性ですか。。。

亢宿は、亢宿ファンにしたら最高に好青年に見えるかもしれませんが、
よくよく客観的に人間性を見ると、結構、、、やってくれます。クセ者です。



 原作をベースにして、アニメとかCDブックとかでいろいろと表現されている作品ですが、
 ここではちょっと亢宿について分析してみました。独断と偏見にて失礼いたします。
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 ▽
■比較1 「亢宿」という人間のポジション/表現方法
原作
朱雀召喚の儀式にて死んだと思われていたが、実は西廊国・磨汗村で懐可として生きていた!

アニメ
原作と大きな違いはないが、亢宿の心の葛藤が表情で細かく表現されている。

>CDブック
亢宿の出番は、初登場から朱雀召喚の儀式の直後に死ぬまで。再登場はなし!

>OVA

原作・アニメの続編。青龍七星士の亢宿としての記憶はすべて失い、懐可として別の人生を送っていた。(でも、双子の弟の存在は覚えていたらしい!)


・・・上で、再登場批判をしているので、個人的に
(本当に個人的だな)CDブックとOVAの設定が好きです。
CDブックでは青龍七星士として思い悩んだまま亡くなった・・・というわけで、死が凄く惜しまれます。。。
OVAでは正に別人として新しい人生を送っていたんだよね!!!
その姿が凄く幸せそうで嬉しかったん だ け ど ・・・ 。
あのOVAは双子ファンにとっては問題作かと思われます!!!(;`Д´)
フザケンナ。>暴言

■比較2 朱雀召喚の儀式〜その後、河に落ちるまで
>原作
個人的に召喚の儀式にて本性を現したときからの性格の突然の変貌がスキ。
美朱の言葉に心を動かされ、河に落ちてそのまま死んでしまった・・・。
(→懐可として再登場)

>アニメ
生か死か、亢宿の笛がその架け橋となっていた。
亢宿の手は死の方をつかみ、美朱の手が生の方をつかんでいた。
それを亢宿は自ら手を離し、最後、微笑んで激流の中に・・・。
(→懐可として再登場)

>CDブック
朱雀七星への細かい気遣いとか、とにく本当にいい子(笑)
原作での
「これが別魂の曲・・・」というセリフが、「死ぬがいい!」になっていたのが何か良い。
ただし、懐可としての復活が省略されていたので、朱雀・青龍両七星士にとって最初の犠牲者。


・・・CDブックでの亢宿はかなりワンダーな感じで大好きです。
よく気がつくし、いいコだし、それが突如原作よりも凶悪な感じに変貌を遂げます。
そのギャップが一番よく出てるのがCDブックです。シンプルながら名作です。


(08年4月・加筆修正)